2014年9月25日木曜日

アルドノア・ゼロのサブタイトルの元ネタまとめ、その3

これで最後です。

EP09. 追憶装置 -Darkness Visible-

ウィリアム・スタイロン「見える暗闇―狂気についての回想 (Darkness Visible: A Memoir of Madness)と、
ウィリアム・ゴールディング「可視の闇 (Darkness Visible)」の2冊の重ね合わせかと。

スタイロンの方はアメリカの作家。映画「ソフィーの選択」の原作者。あと奴隷の反乱を描いた小説で有名。
「見える暗闇」は鬱病の経験を描いた自伝。

ゴールディングはイギリスの作家。代表作「蝿の王」は、漂流して無人島に流れ着いた少年達の殺し合いの話。映画にもなった。
「可視の闇」のキーワードは(自分にとっての)神を求める少年絶望して堕ちる少女

EP09と言えばスレイン君がザーツバルムさんの告白を聞いたり、鞠戸大尉がトラウマえぐられたり、ライエさんがプリンセスを殺す(殺そうとした)回でしたね。
神的な存在を求める少年はザーツバルムでも OK か?少年ではないけど。

スタイロンの方は絶版っぽいので、ゴールディング。

可視の闇
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EP10. 嵐になるまで -Before the War-

一般的すぎて検索する気も失せる。
あえて選ぶとすればリチャード・バードン・ホールデン子爵の "Before the War"ですかね。ホールデン子爵はスコットランドの政治家。帝国主義(植民地たくさんつくるよ!)を支持していた。
この "the War" は多分第一次世界大戦。ホールデン子爵は戦争前に軍政改革を行ったことで知られています。
帝国主義、軍政改革推進というのはザーツバルムのイメージ?
この回のメインは AED の正しい使い方、若ザーツバルム回想シーン、プリンセスの演説でした。

Before the War
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EP11. ノヴォスタリスクの攻防 -Wind, Snow and Stars-

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリのエッセイ集「人間の土地」ではないでしょうか。
原題はもちろんフランス語なので "Terre des hommes" ですが、米国でのタイトルは "Wind, Sand and Stars" が一般的だそうです。
飛行士をしていたときの経験とか、同僚との関係とか、空から見える地球とか、墜落とか、極限状態での人間とか。

デコイ越しの降下とか、バレバレのコードネームとか、ライエがカット動かすとか、免許持ってるか怪しい幼女のドライビング・テクニックとか、墜落する戦艦の回。

表紙がジブリっぽいと思ったら、ホントに宮崎駿だ!確かに好きそうだ。

人間の土地 (新潮文庫)
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EP12. たとえ天が堕ちるとも -Childhood's End-

これは確実にSF界のビッグ3の1人、サー・アーサー・C・クラークの「幼年期の終わり ("Childhood's End")」ですね。
このサブタイトルなら確かにあのラストシーンもアリだな。いや、サブタイトルからあのラストシーンも想像できるよなお前ら、という制作側のメッセージだったのかもしれん。

「幼年期の終わり」は大抵の人がきっと読んだこと無くても知ってると思うけど、地球人類よりはるかに高度な文明を持つ宇宙人が地球を管理下におく、から始まる人類の終末への話。
アルドノア・ゼロはどっちも人類だからそこまでの話ではないんだけど。

せめてジェイムズ・P・ホーガンの「星を継ぐもの ("Inherit the Stars")」にしたら、もう少し明るい話に……大差ないか?交渉の余地はあるのではないか、という雰囲気にはなる。

これで1月からいきなり火星の古代文明を作った連中がでてきて「我々はオーバーロードだ」とか言ったら怒る。基本、地球とヴァースでやって欲しい。お願いします。

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))
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8輪とか10話で心が折れそうになったよ……。とりあえず全部書いたのでよしとしよう。
もちろん全て推測ですので、あしからず。
1月まではここに上げた中から手持ちの本を読んで過ごそう。

Amazon 独自特典はなんでいつも「オリジナルデカ缶バッジ」なの?
缶バッジ要らない。大人だし。

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2014年9月24日水曜日

アルドノア・ゼロのサブタイトルの元ネタまとめ、その2

昨日の続きです。

EP05. 謁見の先で -Phantom of The Emperor-

もちろん大元はガストン・ルルーの「オペラ座の怪人 "The Phantom of the Opera"」だと思います。
普通に人の出入りしない場所に潜む、力(才能)のある怪人が暴走、などレイレガリア爺さんにぴったりですね。
映画、ミュージカル、舞台などいろいろありますが、本来はガストン・ルルーの小説です。
しかしここではテレビアニメ版の「Phantom 〜Requiem for the Phantom〜」を推したい。
大きな組織に対抗してヒロインを守る少年。軍人じゃなくて殺し屋ですが。
原作はニトロプラスのゲームで、もちろんシナリオは虚淵玄氏です。
ゲームの方は18禁なので、画像はテレビアニメ版。

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EP06. 記憶の島 -Steel Step Suite-

もう日本語サブタイトルと英語のサブタイトル、何の関連もないですね。
「わかるやつだけわかればいいよ」という投げ方が素敵です。SF小説タイトルが目についたから調べてみたけど、別にSFにも小説にも限らないしね。
"Steel Step" で、バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)の演目「鋼鉄の歩み」だと思います。suite で「一揃いの、一組の」。
バレエの方のキーワードとしては帝政の崩壊、市民と兵士、機械化文明など。
別に地球側は社会主義国ではないのだけど、帝政に対向するということでしょうか。
帝政の象徴?火星騎士が何人も出てきたり(ブラド、クルーテオ、ザーツバルム、フェミーアン)、市民エデルリッゾちゃんやライエさんが招集を断る回ですね。
画像はセルゲイ・プロコフィエフ作曲のサントラ盤。

Prokofiev: Cinderella (complete), The Steel Step
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EP07. 邂逅の二人 -The Boys of Earth-

視聴者大盛り上がりの共闘回。
一般的な単語の組み合わせなのでいろいろ引っかかるけど、BBCのドラマ「秘密情報部トーチウッド (Torchwood)」のシーズン3 "Children of Earth" ではないかと。
この「秘密情報部トーチウッド」というのは「ドクター・フー」シリーズのスピンオフだそうです。
「秘密情報部トーチウッド」はエピソードによっては WOWOW で放送されたことがあるそうですが、残念ながら見たことないです。
いきなりやってきた宇宙人が各国の子供達の10%を要求、よこさなければ未知のウィルスをばら撒くぞーと脅してくる話。
少数の犠牲で大勢を守る。わだつみの盾になったマスタング隊のことか。
このサブタイトルだけ見ていると、伊奈帆くんも地球人ということなのかブラフなのか。

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EP08. 鳥を見た日 -Then and Now-

このタイトルの書籍の多いこと多いこと。時代物とかタイムスリップとか環境問題とかいろいろですが、何か英語ネイティブ的にいい響きなのかも。
本命はサマセット・モーム「昔も今も (Then and Now)」。都市国家時代のイタリアで、外交官マキャベリと法王軍総司令官チェーザレ・ボルジアの知的格闘技
ちなみにサマセット・モームは小説書きながら SIS のスパイであったことも有名。
軌道騎士とかちょっと都市国家っぽい。スレイン君のスパイ疑惑は最終話で晴れたのかな。

昔も今も (ちくま文庫)
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残り4つは明日に回します。
調べるとキーワードだけでもいろいろ出てくるなぁ。
何かをアウトプットするためには、その数倍のインプットが必要、ということか。

買おうと思ったら意外にレビューが控えめ。どうしようかな。
メカアクションはどうしてもアニメのほうがイイしなー。

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2014年9月23日火曜日

アルドノア・ゼロのサブタイトルの元ネタまとめ、その1

毎週楽しみにしていたアルドノア・ゼロの第一部が終わってしまいました(泣)。
仮面ライダー鎧武サイコパス(再放送だから)は見てなかったけど、虚淵玄テイストは好きだなあ。サイコパス新作は見る。
翠星のガルガンティアみたいな明るいのも面白かった。

アルドノア・ゼロの各回のサブタイトルが昔読んだSFを思いだすので、ちょっとまとめてみました。
最近の若いものはきっと知らない作品が多いんだぜ、と年寄りぶってみる。

EP01. 火星のプリンセス -Princess of VERS-

アルドノア・ゼロでは Vers になってますが、火星は普通 Mars です。だからザーツバルム伯爵は六神合体したんですね。です。
ネタ元は多分 "A Princess of Mars (火星のプリンセス)" エドガー・ライス・バローズ
100年近く前の作品ですが、最近新装版が出たらしく(アルドノア放送前から)本屋で見ることが多いです。
火星には一般的なクラゲ型宇宙人と人型宇宙人が共存してて、アメリカ人好みのヒーローが人型火星人のプリンセス(もちろん美人)と結婚してさらに冒険する話。
シリーズ第一作です。いろんなところから出ています。これは最近出た合本のやつ。

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)
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EP02. 地球の一番長い日 -Beyond the Horizon-

SF界の大長老、ロバート・A・ハインラインの "Beyond This horizon(未知の地平線)"
DNA 操作が自由自在な一見ユートピアな社会に抵抗するエリート青年の話。
1948年によくそんなこと思いつくもんですね。その4年前に、どうもDNAが遺伝子らしいとわかった頃だよ。
日本語版、絶版です。古典は簡単に絶版にしないでほしいね。

Beyond This Horizon
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EP03. 戦場の少年たち -The Children's Echelon-

同じタイトルでJ.D.サリンジャーの未発表作品があります。未発表なんで内容は不明です。
Echelon(エシュロン) というと今は例の通信傍受システムが有名ですが、普通に名詞で梯団とか段階という意味です。伊奈帆たちのことを少年達の部隊と言ったのか。
タイトルがわかるのは、サリンジャーの伝記から。

サリンジャー ――生涯91年の真実
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EP04. 追撃の騎士 -Point of No Return-

ここは目ぼしいSF小説がない。これかな、というのが2つ。
1つは昔PC-FX用にあったゲーム "TEAM INNOCENT -The Point of No Return-"
虚淵さんなら昔のゲームにも詳しいでしょうから、多分こちら。
人類の宇宙進出、惑星の開発、遺伝子操作、とアルドノア・ゼロにもありそうなキーワードがいっぱい。
もう1つフランス映画「ニキータ」のハリウッドリメイク版 "The Assassin" のアメリカ版タイトル "Point of No Return" というのもありました。
なんとなくライエさんを思い出すので、こちらも重ね合わされているのかもしれません。
ゲームの方はさすがに古すぎて画像が出てきませんね。映画の方で。
なんでハリウッドで作品に、アメリカ用タイトルが別についてるのかな?アサシンだって英語だからいいと思うけど。

アサシン/暗・殺・者 [Blu-ray]
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タイムリミットなので、今日はここまで。また明日。多分明日。